スマホアプリ開発者の年収は、需要に高まっていることも相まって高くなっています。
スマホアプリと一口に行っても、求められる業務内容や、経験、スキル、使用言語など高い年収に直結する事案は数多くあります。
どのような経験を積み、スキルを身につければ、企業に歓迎される人材になるのでしょうか。
目次
スマホアプリ開発の年収と需要
スマホアプリ開発者の年収は400万円を超えます。
エンジニアの技術力にも左右されるけどね!
一般的なシステムエンジニアの年収が約490万円です。
スマホアプリ開発者の年収が高いことがわかりますね。
Q .なぜスマホアプリの年収が高いのでしょうか
A .スマホアプリの需要が高いからですね
それでは、スマホアプリ開発の年収と需要について詳しく解説していきましょう。
スマホアプリ開発の年収
スマホアプリ開発の年収を把握するために、実際のスマホアプリ開発の案件の例をご紹介します。
金融系企業の求人例
- 業務内容:Android/iOSのスマホアプリ開発
- 開発言語:Kotlin/Java/Swift/Objective-C
- 勤務地:関東
- 想定年収:600万円~1200万円
- 月給:425000円~
こちらは金融系企業でのスマホアプリ開発の求人です。
まずは想定年収を確認
チェックポイント
- 平均の550万円を超えている
- 年収の幅が非常に大きい
想定年収に開きがあるのは、応募してきたエンジニアの技術力や経験によって年収が決まるからです。
求められる業務内容
この企業で求められる業務内容は、以下のような内容です。
- プロジェクトリーダーとしての業務
- メンバーのソースコードレビュー
- ビルド、テスト、デプロイ自動化の環境構築
- ユーザインターフェース、ユーザーエクスペリエンス提案/設計
IT業界にかかわったことのない方には見慣れない単語が多いので、それぞれどのようなことをするのかご説明していきます。
プロジェクトリーダーとしての業務
プロジェクトリーダーは文字通りプロジェクトをまとめるリーダー。
プログラミングの知識がもちろん、クライアントやプロジェクトメンバーとのコミュニケーションをとる力が求められます。
プロジェクトリーダーは、その名の通りプロジェクトをとりまとめるリーダーのことです。
プロジェクトリーダーは1つのプロジェクトを円滑に進めていくための業務を担います。
- プロジェクトメンバーとコミュニケーションを取って進捗を詳細に把握する必要があります。
- クライアントとのやりとりを行う窓口としての業務も担います。
- もちろんしっかりとしたプログラミングの知識は必要不可欠!
実際の開発やテストはプロジェクトメンバーに任せることも多いです。
しかし、彼らからの技術的な質問に答える必要がありますので、しっかりとしたプログラミングの知識が必要になります。
メンバーのソースコードレビュー
ソースコードレビューは作成したソースコードが設計書通りに作られているか、どこかに問題がないかを確認する作業のことです。
コードの善し悪しを判断するためには、多くの開発経験が必要です。
メンバーのソースコードレビューは、メンバーの作ったソースコードを改めて調査したり検討します。
ソースコードレビューは、メンバーが作ったソースコードをチェックします。
- ソースコードが設計書通りに作られているかチェックする
- 間違いがないかチェックする
- コードの善し悪しを判断する。
ソースコードレビューにはある程度の経験を求められます。
多くの開発経験があり、コードの善し悪しがわかるようになったエンジニアしかレビューを行うことはできません。
基本的には、1~2年程度の経験が必要となります。
経験を積むため、1年未満の方が先輩や上司のソースコードレビューを行う場合もあります。
ビルド、テスト、デプロイ自動化の環境構築
ビルド、テスト、デプロイ自動化の環境構築は、普段エンジニアがそれぞれ手動で行っている作業を自動化するための環境を作ることです。
作業工程の削減のため、このCI/CDの環境構築が行える人材が求められています。
手動で行っていた部分を自動化することで、他の工程に時間をかけることができるようになります。
ビルド‥エンジニアの作成したコードをコンピュータが実行できる状態にすること
テスト‥ソースコードにエラーがないかどうかを確認する作業のことを指しています。
デプロイ‥プログラムをユーザが利用できる状態にすることです。
これら3つの流れを自動化することを、CI/CD(Continuous Integration/Continuous Delivery)と呼んでいます。
日本語にすると継続的インティグレーション/継続的デリバリーという意味です。
そのため、このCI/CDの環境構築が行える人材が求められているのです。
ユーザーインターフェース、ユーザーエクスペリエンス提案/設計
ユーザーインターフェース、ユーザーエクスペリエンスとは、利用者視点での画面の使いやすさ、見栄えのことを意味します。
利用者には使いやすさや見栄えの観点で良い印象を持ってもらうことが重要になるため、提案、設計を行います。
- ユーザーインターフェース/UI(User Interface)‥利用者が見ることのできる画面と、画面を構成するボタンやテキストボックスといった要素のことを指します。
- ユーザーエクスペリエンス/UX(User Experience)‥UIを見たユーザがどのようなことを感じたのか、という感想のことを指します。
ユーザーインターフェース、ユーザーエクスペリエンスの提案/設計は、利用者視点での画面の使いやすさや、見栄えについての提案や設計のことになります。
利用者には使いやすさや見栄えの観点で良い印象を持ってもらうことが重要になります。
つまり、良いUIは良いUXにつながるので、このようにまとめて提案や設計を行うのです。
スマホアプリ開発の需要(市場)について
スマホアプリ全体の売上を確認することでスマホアプリ開発の需要を知れます。
Sensor Towerが発表した新たなレポートによると、iOSのApp StoreとGoogle Play合わせて2019年上期のグローバルでのアプリ売上高は397億ドル(約4.3兆円)だった。これは昨年同期の344億ドルから15.4%のアップだ。しかし2018年上期の数字は、269億ドルだったその前の年の同期から27.8%増だった。
https://jp.techcrunch.com/2019/07/06/2019-07-03-app-revenue-tops-39-billion-in-first-half-of-2019-up-15-from-first-half-of-last-year/
スマホアプリ全体の売上は増加率の変動はありますが、年々増加していることがわかりますね。
スマホ全体の普及率も非常に高くなっています。
詳しくは下記のサイトを参考にしてください。
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20190513-00124412/
スマホの普及率が上がればスマホアプリ全体の売上も増加していくことが予想できます。
エンジニアとして就職を考えている場合、スマホアプリ開発に関して学んでおくのが将来的にも安泰です。
スマホアプリ開発の仕事内容
スマホアプリ開発の主な仕事内容は五段階の工程です。
- 企画
- 要件定義
- 設計
- 開発
- テスト
- リリース(完成)
これは通常のアプリ開発とそう変わりはありません。
では、それぞれどのようなことをするのか詳しく解説していきましょう。
企画
クライアント側からこのようなスマホアプリを作って欲しい、と企画内容を提供されることもありますし、自社開発であればアイデアを出し合うことになります。
まずは、どんなスマホアプリを作るのか、をアイディアを出してきます。
要件定義
ヒアリングして、どんな機能が欲しいのか決めてく工程です。
クライアントから依頼された物であればクライアントにヒアリングを行います。
自社で開発する場合は自社の人たちからどのような機能が欲しいのかをヒアリングして決めていくことになります。
開発に使用する言語もこの要件定義で決めていきます。
そのため、何度もヒアリングを繰り返していく必要があります。
設計
設計書はさまざまな種類があります。
代表的なものは下記3つです。
- 画面のデザインを決める画面設計
- 各画面がどのような機能を持ち、どのようなことができるのかを表した基本設計
- 各機能の詳細な仕様を表した詳細設計
その他にも、さまざまな種類の設計書が用意されます。
また、この段階で後の工程にあるテストの項目も一緒に決めていきます。
設計や要件定義に沿った条件でテストを行う必要があるからです
開発
設計がひと通り完了したら、実際にその設計書を見ながら開発していきます。
開発とはプログラミングを行っていくことです。
テスト
開発が終わったらアプリの品質保証をするためのテスト工程が始まります。
テスト仕様書と呼ばれる、確認する内容を一覧にしたものを利用しながら行うのが一般的です。
リリース
テストを行い、要件定義通りのアプリができあがったことが保証できたら、実際にそのアプリをリリースします。
つまりアプリストアなどで公開し、いろんな人がダウンロードできるようにすることです。
新機能を追加したい場合はまた企画から開発工程を繰り返して行くことになります。
スマホアプリ開発の仕事内容
それでは実際にエンジニアとして働いた場合、一日の業務の流れがどのようになるのかご紹介します。
- 出社後、メールの確認や前日の進捗の確認を行う
- 朝会を行い、進捗や確認事項、注意事項などをプロジェクトメンバーで共有する
- 業務開始
- 開発を行うメンバーは開発
- テスターは開発が完了し、テストができる状態になった物からテストを実施
- プロジェクトリーダーはクライアントへの対応、進捗によるスケジュールの見直し等を行う
- 本日の作業内容と進捗を報告する
基本的にはこの流れを繰り返していきます。
プロジェクトリーダーやその補佐をするメンバーはクライアントとの会議に参加したり、メンバーたちからの質問に答えたり、といった業務も発生します。
スマホアプリ開発のキャリアについて
スマホアプリ開発者としてのキャリアですが、簡単にまとめると以下のようなキャリアパスになります。
- 設計書に沿った開発を行うプログラマとして就職
- 設計書の作成を行うシステムエンジニアにキャリアアップ
- プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャー、専門的なエンジニアにキャリアアップ
業務経験が無い場合はまず開発を行うプログラマとして働くことになります。
プログラマとして経験を積むとシステムエンジニアにキャリアアップすることができます。
近年ではプログラマとシステムエンジニアを区別せず、未経験の方でもシステムエンジニアとして雇って開発から経験を積んでいく企業もありますね。
システムエンジニアとして経験を積んだ後は、さまざまな道が考えられます。
プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーとして活躍していく道。
ネットワークエンジニアやデータベースエンジニアといった、専門的なエンジニアにキャリアアップしていく道など数多です。
また、システムエンジニアとして設計や開発が問題なくできるようになれば、フリーランスとして独立することも可能です。
例えば、以下のような求人があります。
- 仕事内容:iPhone、アプリ開発
- 月収:100万円〜
- 勤務地:関東
- 利用する言語:Swift
- 求めるスキル:Swiftでのアプリ開発経験
- 雇用形態:フリーランス
この求人ではスマホアプリの開発経験が求められています。
スマホアプリ開発のシステムエンジニアとしての就業経験があればこのスキルに見合っていると考えて良いでしょう。
iOSとAndroidによる年収の違い
iOS向けアプリのエンジニアとAndroid向けアプリのエンジニアでは年収の違いが出てきます。
実際に求人を確認すると以下のような違いがあります。
- iOSアプリ開発の想定年収:500万円~700万円
- Androidアプリ開発の想定年収:420万円~560万円
どうしてこのように差が出ているのでしょうか?
需要と年収
日本での普及率はiOS(iPhone)が65.94%、Androidが33.84%、それ以外が0.22%という結果になっています。
日本での普及率
モバイルオペレーティングシステム | 普及率 |
---|---|
iOS | 65.94% |
Android | 33.84% |
それ以外 | 0.22% |
そのため、日本ではiOSアプリの需要の方が高く、結果としてiOSアプリ開発ができるエンジニアの年収が高くなっているのです。
世界的な普及率
モバイルオペレーティングシステム | 普及率 |
---|---|
iOS | 24.76% |
Android | 74.30% |
それ以外 | 0.94% |
世界的に見るとiOS(iPhone)が24.76%、Androidが74.30%、その他が0.94%とAndroidの普及率の方が高くなっています。
詳しい内訳については、下記のサイトを参照してみてください。
https://xera.jp/entry/iphone-android-share
日本ではiOS、Androidの両方に対応するアプリをリリースするのが主流となっています。
それぞれ別の言語で開発する必要があるため、企業でもそれぞれのエンジニアを同時に募集しています。
iOS、Androidのエンジニアを同時に募集している場合には、年収の差はほとんどありません。
業務経験や持っているスキルなどを基準に年収の差が出てくることになります。
利用される言語と年収
Q.iOSアプリと、Androidアプリでの年収の差の理由は?
A.利用されている言語が異なることも、年収の差に繋がっていると考えられます。
iOSアプリはSwift、AndroidではJavaとKotlinといったプログラミング言語で開発されるのが一般的です。
使用される言語 | 言語詳細 | 特徴 |
---|---|---|
iOSアプリ「Swift」 | Apple社が自社OS向けに開発したプログラミング言語 | Apple社OS向けのアプリ開発に特化 |
Android「Java」 | Javaは汎用性の高いプログラミング言語 | 広い分野で利用される |
Android「Kotlin」 | GoogleのAndroidチームが公式にサポートすることを発表したことにより広まってきた言語 | Javaで作ったアプリが動く環境ならKotlinで作ったアプリも動かせるという互換性や、エラーが起きにくいと言った特徴がある |
iOSアプリを開発する場合は、必ずSwiftの知識が必要になると言っても過言ではありません。
Androidアプリを開発する場合は、他の分野でJavaの開発経験があればその知識を流用することができます。
iOSアプリ開発にはAndroidと比べるとより専門的な知識が必要になるため、その専門性が年収の差に繋がっていることが考えられます。
経験が年収の高さに繋がる
iOS、Androidのどちらのスマホアプリ開発エンジニアでも、最終的には経験の多さによって年収の高さが決まります。
例えば、求人を見ると必須スキルの他に以下のように記載されている場合があります。
- 必須スキル:Androidアプリの開発経験
- 以下のようなスキル、開発経験は尚歓迎
- iOSアプリ開発経験
- Androidに限らずアプリ開発経験
Androidアプリの開発案件でもiOSのアプリ開発経験や、他の言語の開発経験が歓迎されるのですね。
このような歓迎されるスキル、開発経験があると、年収がさらに高くなることが考えられます。
まとめ
スマホアプリ開発は需要が高まっているため、年収も他のアプリ開発エンジニアと比べると高めになっています。
需要もどんどん高まっていくことが考えられますので、一度スマホアプリ開発の技術を身につければ長く働いていくこともできるでしょう。
iOSかAndroidのどちらを選択するか悩んだ場合は、自分の持っているスマホのOSによって選択するのがいいでしょう。
使い慣れたスマホのほうが、開発の後のテスト工程などがやりやすいからです。
スマホアプリ開発のエンジニアの需要はこれからどんどん高まりますので、ぜひこの機会にスマホアプリ開発を学んでみてください。
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