2022年度から高校でプログラミング学習が必修化となりますので、おすすめの学習方法について当記事でまとめました。
小学校・中学校ではすでに必修化が開始しているため、社会人になるまでにプログラミングスキルを身に付けておくことは必須です。
とはいっても、今までまったくプログラミング学習経験がない方からすれば
- 高校生がプログラミング学習なんて本当に必要なのか?
- プログラミングを勉強したい人だけが自主的に学習すればよいのでは?
- プログラミング学習によって大学受験がおろそかになるのでは?
といったように、高校でのプログラミング必修化に疑問を感じる方もいます。
よって本記事では、高校生のプログラミング学習に関する疑問を、プログラミングスクール運営者の観点で解説します。
具体的には
- 高校生にプログラミング教育が必要である理由
- 高校生がプログラミングを学ぶメリット
- プログラミング学習のポイント
- 高校生におすすめのプログラミング学習方法
といった順番で解説していきます。
本記事を読んでいただくことで、なぜ高校生にプログラミング教育が必要なのかがわかりますし、キャリアの選択肢も広がります。
特に、現役高校生で「プログラミング学習に興味はあるけど、何から始めたらいいかわからない」とお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
なぜ高校生にプログラミングが必要なのか?
高校にてプログラミング教育が必修化となった理由には
- IT人材不足の解消のため
- デジタル社会に求められる人材要件が変化したため
- 大学共通テストでプログラミングの導入が検討されているため
といった3つが挙げられます。
それぞれ詳しく解説します。
IT人材不足の解消のため
プログラミング教育の目的はIT人材不足の解消に繋げるためです。
経済産業省の調査によると、現在日本では約37万人のIT人材が不足しています。
2030年には最大79万人のIT人材が不足すると試算されています。
(参照:IT人材需給に関する調査/経済産業省)
政府ではIT人材不足の解消を図るために、小・中・高校でのプログラミング教育必修化を段階的に開始しています。
プログラミング教育が必修化になることで、社会全体のIT人材の底上げに繋がります。
デジタル社会に求められる人材要件が変化したため
IT化が進んでいるデジタル社会において、企業では採用する際の人材要件が変化し、ITスキルの高い人材が求められています。
特に、新型コロナウイルスの影響もあり、各業界ではITツールを活用したオンライン化が急速に進んでいます。
世の中を取り巻く環境も大きく変化したことで、政府主体でDX化(※)も推進されています。
※注釈:DX化=デジタルトランスフォーメーション。ITの活用を通じて、ビジネスモデルや組織を変革すること
参考となるのが、企業向けコンサルティングを行う株式会社タナベ経営が行った企業アンケートです。
アンケート内で「今、不足していると感じる人材は」という質問に対して、約半数の44.9%が「デジタル活用に携わる人材」と回答しました。
参考:タナベ経営「コロナ環境下の人材採用・育成に関する企業アンケート」(PR TIMES)
また、ITスキルとは、単にプログラミングでITツールが開発できるということではありません。
ITツールの活用を前提とした
- アイデアや発想を転換する
- 自ら新しいものを生み出す
- 自身で動き、考えて解決しようとする
といった思考が備わっているということです。
世の中が大きく変化する中、ITスキルと柔軟な思考を持つ人材が求めれています。
大学共通テストでプログラミングの導入が検討されているため
大学入試センターは、2025年1月に実施する大学入学共通テストで、プログラミングの導入を公表しました。
出典:日本経済新聞「大学入試でプログラミング出題 25年共通テストで導入へ」
現在(2021年度)中学3年生が大学受験の際には、プログラミングが導入されることになります。
現在でも、すでに一部の大学ではAO入試や推薦入試でプログラミング実績を認めています。
■プログラミングの実績・能力を活用できる大学の例
- 東京大学・・・「国際情報オリンピック」の出場・入賞など
参照:東京大学学校推薦型選抜学生募集要項(令和4年度) - 京都大学・・・「国際情報オリンピック」の出場・入賞など
参照:京都大学特色入試選抜要項(令和4年度) - 慶應義塾大学・・・「日本情報オリンピック」本選Aランク、「未踏Jrスーパークリエータ認定者など
参照:総合政策学部・環境情報学部AO募集要項(2022年度) - 早稲田大学・・・「国際情報オリンピック」で一定以上の成績を修めた者
参照:早稲田大学 先進理工学部「特別選抜入学試験」試験概要(2021年度)
■大学受験でプログラミングの実績として認められる例
※上記はあくまでも一例ですのですべての大学に当てはまるわけではありません。
2022年度から始まる高校のプログラミング教育とは?概要を解説
2022年度から開始される高校のプログラミング教育とは、文部科学省による学習指導要領改訂により、プログラミングが必修科目になることです。
すでに
- 2020年度は小学校
- 2021年度は中学校
と段階的に必修化が開始されており、2022年度からは高校が必修化となります。
参照:平成28年8月26日 中央教育審議会教育課程部会 資料3(文部科学省)
さらに2025年1月に実施する大学入学共通テストで、プログラミングの導入を公表されています。
高校でのプログラミング必修化で押さえるポイントは
- 情報科の情報Ⅰ・情報Ⅱで行われる
- プログラミングスキルではなく問題解決の方法を学ぶ
といったことが挙げられます。
それぞれ詳細を解説します。
高校のプログラミング学習は情報処理で行われる
高校でのプログラミング教育は、「情報科」の中で行われます。
高校の情報科は現在、「社会と情報」「情報の科学」の2科目です。
改訂後は「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」に再編されます。
■現在の学習指導要領
- 社会と情報・・・プログラミングを含まない(選択科目)
- 情報の科学・・・プログラミングを含む(選択科目)
■新学習指導要領
- 情報Ⅰ・・・プログラミングを含む(必修科目)
- 情報Ⅱ・・・高度なプログラミングを含む(選択科目)
現在の情報科学でもプログラミング学習はありますが、選択者は2割程度に留まっています。
2022年度の新学習指導要領施行後は、すべての生徒がプログラミングに触れる必修科目になります。
高校のプログラミング授業はPythonを使用する
高校のプログラミング授業「情報Ⅰ」では、プログラミング言語のPython(パイソン)を使った学習が行われます。
参考:高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材(本編):文部科学省
Pythonは近年需要が高まっているプログラミング言語です。
Pythonの特徴としては
- 初心者でも扱いやすい
- 人工知能などで使われている
- コードの記述が容易
- あらゆる開発で汎用性が高い
といったことが挙げられます。
プログラミング初心者向けのPythonに関する書籍なども多数登場しており、独学しやすいといったメリットもあります。
高校生がプログラミングを学習するメリット
高校生がプログラミングを学習するメリットには
- 問題解決能力(=プログラミング的思考力)が身につく
- 将来の選択肢が増える
- プログラミングで稼げる
といった3つが挙げられます。
それぞれの詳細を解説します。
プログラミング的思考力が身につく
プログラミングを学習することで、プログラミング的思考力が身につきます。
文部科学省ではプログラミング的思考力を次のように定義しています。
自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、ひとつひとつの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力
引用:文部科学省 小学校プログラミング教育の手引(平成30年3月)
つまり、プログラミング的思考力は、プログラミングのコードを書くことではありません。
かんたんにいえば「目標を最短で実現するための計画を立てる力」のことです。
プログラミング的思考力を磨くことで、ほかの勉強、部活動、交友関係に活かせます。
部活動で例えるならば
「高校3年生でインターハイに出場するために、必要なトレーニングメニューを計画する」
といったことを、自分の頭で考えて主体的に実践する力です。
プログラミング的思考力を意図的に使えるようになることで、ゴールから逆算した道筋を立てられるようになります。
将来の選択肢が増える
プログラミングを学習することで将来の選択肢が増えます。
さらに、現在IT人材はIT業界だけではなく、ほぼすべての業界で求められています。
経営コンサルティングのタナベ経営の調査によれば「デジタル活用に携わる人材不足」と回答した方が、半数近くになりました。
参考:コロナ環境下の人材採用・育成に関する企業アンケート(タナベ経営)
ITツール活用スキルやプログラミングを使った問題解決力は、将来IT業界に就職しないとしても、あらゆる仕事で活用できます。
プログラミングで稼げる
プログラミングスキルがあれば高校生でも稼ぐことができます。
なぜならば、時間や場所といった環境に依存しないからです。
具体的には
- 個人で活動できる
- 初期費用がほとんど掛からない(お小遣い程度でできる)
- 在庫を抱えない
- 時間や場所を問わない
- アイデアひとつで勝負できる
- 経験した分が資産になる
といったことがあげられます。
例えば、何かを販売したいとなった場合は、仕入れや在庫管理が必要です。
もちろん、売れなければ、すべては無駄になってしまいます。
しかしプログラミングの場合は、パソコンとインターネット環境さえあれば、すぐに始められます。
実際に、高校生がプログラミングを使って稼いでいるケースは珍しくありません。
中には中学生でも稼ぐ時代です。
プログラミングは個人で稼ぐ力を得るための手段といえます。
高校生がプログラミング学習する際のポイント
高校生がプログラミング学習する際のポイントは
- 高校の選択科目で物理や数学は選ばなくてもOK
- 具体的に学習するプログラミング言語を決める
- プログラミングに関する専門書・本を読んでみる
- かんたんなプログラミングサイトからはじめてみる
といった4つが挙げられます。
それぞれ詳細を解説します。
高校の選択科目で物理や数学は選ばなくてもOK
高校の選択科目で物理や数学などの理数系科目は選ぶ必要はありません。
文系出身者でもエンジニアはたくさんいます。
むしろ、国語の論理的に文章を書く力なども、エンジニアには必要なスキルです。
ただし、将来ゲームエンジニアを目指す場合や、大学でロボット工学を学びたいといった場合は、理数系科目は必須です。
つまり、自分がプログラミングを学習して何を実現するかによりますが、必ずしも理数系科目は必要ではありません。
プログラミング学習の目的・目標を決める
プログラミングを学習する目的や、実現したい目標を決めることが大切です。
例えば
- スマホアプリ・ゲームを自作したい
- 〇〇という作業をプログラムで自動化したい
- 人工知能を使ったシステム開発をしたい
といったことです。
つまり「なんのためにプログラミングを学習するのか?」が明確でなければいけません。
プログラミング学習は、やりたいことを実現するための手段でしかありません。
例えば、フランス語を学習する目的は
- フランス旅行がしたい
- フランス人の友人を作りたい
からです。
- プログラミング学習はかんたんと聞いたから
- プログラミングスキルを身につければ将来困らないと聞いたから
といった理由では、学習途中でつまずく可能性が高くなります。
プログラミングの大会出場を目標にする
「プログラミング学習で何を目標にしたらいいかわからない」といった方は、プログラミング大会出場を目標にすることがおすすめです。
- ◯◯大会に出場する
- ◯◯大会で入賞する
といった目標がある方が、学習モチベーションが維持しやすいからです。
大会は相対的にプログラミングスキルを計れるので、自分のレベルを知るキッカケにもなります。
もし好成績を収められれば、大学受験や将来の就職活動で実績としてアピールすることもできます。
プログラミングでアプリを作ってみる
プログラミングスキルは習うよりも慣れることが大切です。
そのため、まずは実際にアプリやゲームの作成をおすすめします。
「暗記するまで学習する→作ってみる」よりも「作ってみる→わからない→調べる」の方が結果として成長が早いです。
例えば、子どもの頃の自転車練習も、何度も転びながら練習を繰り返すことで、いつのまにか乗れるようになったはずです。
いくら専門書や解説動画をみて、わかった気になっても、実際にプログラミングしていくと上手く行かないことが多いもの。
はじめは、ほかの人が作ったアプリのコピーでも構いません。
具体的に学習するプログラミング言語を決める
プログラミングでやりたいことを実現するために、学習する言語を決めます。
プログラミング言語は、現在200種類以上あるといわれます。
すべての言語を覚えることは現実的に不可能です。
現役エンジニアでも習得しているプログラミング言語は3〜5個で、多い人でも10個ほどです。
そのため、自分がやりたいことに合わせて選択する必要があります。
例えば
- スマホアプリを開発したいので、Swift、Kotlinを学習する
- 人工知能やAI技術について学習したいので、Pythonを学習する
- どんな言語にもマルチに対応できるようになりたいので、C言語を学習する
といったように、まずは自分の中で目的・目標を立てることが大切です。
とはいえ、プログラミング言語によって学習難易度が異なることも事実。
初心者でも覚えやすいプログラミング言語の例としては、
- HTML/CSS
- Swift
- Kotlin
- Python
- Ruby
などがあります。
プログラミングに関する専門書・本を読んでみる
学習するプログラミング言語が決まったら、専門書を手にとってみることをおすすめします。
書店ではあまり置かれていない場合がありますが、Amazonは種類が豊富です。
Amazonではユーザーレビューも見られるので、レビューを参考にしながら購入できます。
もちろん、お金を掛けなくてもインターネットで検索すればプログラミング言語に関する情報はたくさんでてきます。
本のメリットは、情報が体系的にまとめられていることです。
一冊購入して、手順通りにすすめていくことで、一冊終える頃にはプログラミングスキルが身についたことを実感できるはずです。
書かれていることを完璧に覚える必要はありません。
- なんとなく書かれていることがわかる
- 解説を見ながらであれば自分で作成できる
といった状態になることが大切です。
かんたんなプログラミングサイトからはじめてみる
お金を掛けずにプログラミング学習をはじめるなら、プログラミングサイトが最も手軽です。
例えば
- Scratch
- Progate
- ドットインストール
などは無料からはじめられる人気サービスです。
スマホ学習もできるので、休み時間や通学時間に学習可能です。
また学習したことを活用して、自分でかんたんなアプリを作ってみることで、より学習効果が得られやすくなります。
高校生がプログラミングで稼ぐ方法
プログラミングスキルがあれば、高校生でも収入を得ることができます。
プログラミングを使った稼ぎ方としては
- プログラミングバイトをする
- ウェブサイトを制作する
- ブログで情報を発信する
- スマホアプリを開発する
といったことが挙げられます。
それぞれ詳細を解説します。
プログラミングバイトをする
IT企業ではプログラミングバイトを募集していることがあります。
アルバイトとはいえ、プログラミング完全未経験で採用されるのは難しいです。
募集要項には、求めるスキル・経験などが記載されていますので、「企業が求めているスキル」を確認できます。
プログラミングバイトの探し方は、Indeedなどの求人サイトで「プログラミングバイト」と検索すると見つけられます。
ただし高校生は年齢規定で募集していない場合もあるので、応募資格を確認してみてください。
ウェブサイトを制作する
企業やお店のウェブサイトやLP(ランディングページ)制作で収入を得ることができます。
手順としては
- 自分でホームページや個人ブログを制作する
- クラウドソーシングサイトでウェブサイト制作案件にエントリーする
といった方法があります。
ブログで情報を発信する
ブログに広告リンクを貼ることで、広告収入が得られます。
とはいえ「自分のブログをわざわざ見に来てくれる人なんているのだろうか」と疑問に感じる方も多いはずです。
例えば「普通の高校生が未経験からプログラミングを覚えていく過程」というテーマがおすすめです。
自分自身をコンテンツとして発信すると、特定のファンが付く可能性があります。
同じような悩みを持つ高校生が、Googleで検索したときにあなたのブログにたどり着きます。
- 自分自身がつまづいたこと
- 学習上の悩み
- どうやって問題解決したか
などすべての経験に価値があります。
スマホアプリを開発する
スマホアプリを開発することで収入を得ることができます。
スマホは現在世の中の大半が所有しています。
自分のスマホにはお気に入りのアプリがある人も多いはず。
世の中的には、スマホを基点としたデジタル化がさらに進んでいます。
- 買い物
- 予約、スケジュール管理
- 音楽、読書
- SNS、コミュニケーション
- 就職活動
など生活のあらゆる場面でスマホアプリが取り込まれています。
しかしながら、世の中にはまだデジタル化が進んでいない場面もあります。
日常生活の中で「スマホアプリがあったら便利だけどな」と感じた経験がある方も多いはず。
また
- 課題をみつけだす
- 解決策を検討する
- 具体的に実行する
といった主体的な行動は、結果として稼ぐ力に繋がります。
高校生におすすめのプログラミング言語
プログラミング未経験の高校生にとって「なにから学習すればいいかわからない」という方も多いです。
高校生におすすめのプログラミング言語を紹介します。
ビジュアルプログラミング
ビジュアルプログラミングは、英文のプログラミングコードを使わずに、視覚的でわかりやすいブロックを使ってプログラミングができる言語です。
ビジュアルプログラミングを使えば「プログラミングでできること」を肌で感じることができます。
そもそもビジュアルプログラミングが理解できなければ、テキストプログラミングも理解できません。
そのため、未経験者はビジュアルプログラミングからはじめてみることをおすすめします。
Scratch
Scratch(スクラッチ)は、世界的に人気のビジュアルプログラミング言語です。
日本では、NHKの「Why!?プログラミング」の学習教材として利用されているなど、認知度が高い言語です。
(参照:NHK for School「Why!?プログラミング公式HP」)
インターネット環境とパソコンさえあれば、すぐにはじめられるので、はじめてのプログラミング学習としておすすめです。
Scratchについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
→Scratchでかんたんに作れるゲームを紹介【プログラミング入門】
Viscuit
Viscuit(ビスケット)は、日本人が開発したビジュアルプログラミング言語です。
Scratchをはじめとしてた従来のビジュアルプログラミング言語とは、まったく異なる概念で開発されていることが特長です。
難しいコードを使わない直感的なプログラミングで、ゲームや絵本を作ることができます。
例えるならば、子どものお絵かきのようなイメージです。
Visvcuitでの学習を通してプログラミング的思考力を鍛えることができます。
プログラミングスキルを身につけることよりも、プログラミング的思考力を磨きたい方におすすめです。
テキストプログラミング
テキストプログラミングとは、いわゆる一般的なプログラミングのことです。
パソコンの画面に英文コードが埋め尽くされていることをイメージする方も多いはずです。
現在テキストプログラミング言語は、200以上存在するといわれています。
中でも初心者におすすめのプログラミング言語を紹介します。
Python
Python(パイソン)は、人工知能やAI技術にも使われるプログラミング言語で近年需要が急激に高まっています。
特長としては
- 記述がシンプル
- 修正がかんたん
といったように初心者でも扱いやすいことが挙げられます。
2022年度から始まる高校のプログラミング授業においても、Pythonが取り入れられることが決定しています。
需要に対して、Pythonエンジニアはまだそこまで多くありません。
今のうちにスキル磨いておくことで、将来活躍の場が広がる可能性があります。
Swift
Swift(スウィフト)は、MacやiPhoneで有名な、Apple社が開発したプログラミング言語です。
iOSアプリケーションの公式プログラミング言語として導入されています。
また、Swiftはプログラミング初心者にもやさしい言語として人気があります。
比較的新しい言語であるため、ほかのプログラミング言語のいいところを採用しています。
つまり、エンジニアのスキルに依存せず、誰でも同じようなプログラミングコードを記述できるといったメリットがあります。
さらにApple製品以外でもSwiftが扱えるようになったため、利用範囲が広がっています。
スマホアプリ開発を目指す方であれば、ぜひ押さえておきたいプログラミング言語です。
Kotlin
Kotlin(コトリン)は、Androidアプリの公式開発言語に認定されたことで、現在注目されているプログラミング言語です。
開発者のスキルを選ばず、だれでも同じようにプログラムを記述が可能。
そのため、スピーディな開発・改良が求められる、アプリ開発市場にマッチしています。
日本ではまだKotlinで開発している企業は多くありませんが、すでに大手IT企業では正式に導入され始めています。
近い将来には導入シェアが高くなると予想されますので、これからプログラミングを学習する方の、はじめての言語としておすすめです。
現役高校生のプログラミング学習方法
現役高校生は、大学受験に向けた勉強や、部活動、アルバイトなど何かと忙しいもの。
「それでも空いた時間を使ってプログラミングを学習したい!」という方に向けておすすめの学習方法を紹介します。
短期集中におすすめ!プログラミングスクール
未経験から短期間で脱初心者を目指す方は、プログラミングスクールがおすすめです。
プログラミングスクールの特長は
- 受講生ひとりひとりにあったオーダーメイドカリキュラム
- わかるまで何度でも質問できるマンツーマン学習
- 初心者からWebサービスの開発まで実現できる学習計画
といったことが挙げられます。
特に、独学だとモチベーションや気分によって学習がはかどらないこともあります。
コーチが存在することで、目標に向かって一直線にステップアップしていきます。
また、オンライン学習ができるプログラミングスクールであれば、自宅で好きな時間に学習できることもメリットです。
N Code Labo
N Code Labo(Nコードラボ)は、N高等学校のノウハウ・カリキュラムを活かした、高校生対象の実践型プログラミング教室です。
- オリジナルゲーム開発
- スマホアプリ開発
- AI・機械学習
まで、やりたいことや興味にあった学習を自分のペースで学べます。
学習方法は、オンライン・教室の選択制なので、全国どこからでも受講が可能です。
教室 | 教室(新宿、秋葉原、横浜、梅田)、オンライン |
料金 | ・入会金 11,000円 ・授業料 教室 14,300円〜88,000円/月額 (受講回数により異なる) オンライン 33,000円/月額 |
学習コース | Unty,Swift、Pythonなど |
コードオブジーニアス
Code of Genius(コードオブジーニアス)は、本格的なプログラミング習得できる高校生対象のプログラミングスクールです。
高校の授業でも取り入れられるPythonや、開発現場で使用されることの多いJavaScriptを名に学習。
学習は教室受講と、オンライン受講の2パターンから好きな方を選択可能です。
教室 | 教室(池尻大橋)、オンライン |
料金 | ・キャンプ 44,550円(2日間) ・スタンダード 41,800円(計8時間) |
学習コース | ・キャンプ(JavaScriptコース、Pythonコース) ・スタンダード(JavaScript) ・マスター(JavaScript、Python、Unity、C#) |
Life is Tech
Life is Tech(ライフイズテック)は、高校生対象の少人数制プログラミングスクールです。
「パソコンに触れたことのない初心者でも1年間でプログラミングの基礎から、実際にアプリやゲームをリリースできるようになること」を目標に掲げています。
徹底した学習カリキュラムは世界中から評判を集めており、
- Google社がICT教育の普及に貢献している組織に贈る”Google Rise Awords”をアジアで初受賞
- 教育の祭典 ”EdTechXEurope2016” のグロース部門にてアジアで初優勝
といった評価を受けていることが特長です。
高校生の内に確実にプログラミングスキルを身につけたい方の習い事としても最適です。
教室 | 教室(白金高輪、秋葉原、池袋、横浜、名古屋、大阪)、オンライン |
料金 | 入塾金27,500円、受講料25,300円/月額 |
学習コース | ・iPhoneアプリプログラミングコース ・Androidアプリプログラミングコース ・Unityゲームプログラミングコース ・Webデザインコース(HTML/CSS) ・Webサービスプログラミングコース(Ruby) |
オンライン独学におすすめ!プログラミング学習サイト
「あまり学習に費用を掛けたくない」「自分のペースで自由に学習したい」といった方には、プログラミング学習サイトの利用がおすすめです。
学習コンテンツも細切れになっているので、毎日15分だけ。
といったように、小さく分けていくことが可能です。
特に初心者向けのコンテンツは無料でできるものも多いです。
そのため、まずは無料で学習を開始し、慣れてきたら課金するといったステップアップがおすすめです。
Progate
Progate(プロゲート)は、アカウント発行だけではじめられるオンライン学習サービスです。
Progateの特長は
- 全15コース・82レッスンから選択可能
- 複雑な環境構築の設定が不要
- わかりやすいビジュアルの学習コンテンツ
といったことが挙げられます。
まるで、オンラインゲームのように楽しく操作できるので、休み時間や通学時間のスキマ学習に最適です。
スキルハックス
スキルハックスは、「最短・最速で脱プログラミング初心者」をコンセプトに掲げる動画学習コンテンツです。
1本あたり10〜20分のわかりやすい動画コンテンツを、100本以上で構成。
学習につまづいたときは、LINEで質問自由なので途中で挫折することはありません。
料金は買い切り69,800円(税込)と、プログラミングスクールなどに比べてリーズナブルなので、手軽にはじめたい方に最適です。
ドットインストール
ドットインストールは、1本あたり3分の短い動画で構成された動画学習サービスです。
どこまで学習を終えているかマイページで管理できるので、自分の成長度合いが見えるのは嬉しいもの。
無料からはじめられますが、有料会員になることで、現役エンジニアに質問することもできます。
プログラミングを学べる高校進学もおすすめ【中学生必見】
まだ高校生なる前の中学生であれば、より実践的なプログラミング学習ができる高校に進学することもおすすめです。
「専門系の高校は進学ができない」と感じる方もいますが、工学部のある大学からの指定校推薦枠や、専門学校への進学という選択肢もあります。
難関大学への進学も不可能ではありません。
参考:工業高→京大・名大へ 「手に職」つけつつ上がる進学熱:朝日新聞デジタル
また、昨今は個人の働き方・生き方にも多様化しています。
今までは、いい大学に入学し、いい会社に就職し、定年まで勤め上げることがロールモデルとされていました。
しかしながら、デジタル化が進んだことで、組織に依存しない働き方も広まってきています。
より実践力を身につけるために、専門高校への進学もひとつの選択肢といえます。
全日制工業高校(情報技術科)
高校生活を通してプログラミングを学習したいなら、工業高校の情報技術科への進学がおすすめです。
情報技術者試験などの受験対策もあるので、3年間の学習を通して資格取得にもチャレンジ可能。
もちろん、プログラミング以外にも数学や英語などの一般科目もあります。
一般的に就職のイメージが強い工業高校ですが、大学進学者も少なくありません。
指定校推薦枠などがある場合は、ある程度成績上位をキープできていれば推薦枠を使った進学も可能です。
高等専門学校(高専)
高等専門学校は通称「高専」と呼ばれる教育機関です。
学歴としては短大卒と同等に扱われますが、技術者としての評価は高いといわれます。
日本女子大学の細川幸一教授は、高専生の評価について次のように解説しています。
引用:最近では、高専生が有能な人材として再認識され始めている。従来、産業界からは技術者としての評価は高かったが、近年、大学工学系の教授らが大学生より高専生のほうが優秀だということを公言している。今話題のAI活用研究などで成果を上げ、評価が高いのだ。
参考:大学生よりも優秀?高専生が注目される理由 | 学校・受験
通信制高校
通信制高校とは、通信教育で学習する高校のことです。
また、学年制ではなく単位制であることも特長。
3年間で必要な単位と卒業要件を満たすことで卒業できます。
メリットとしては
- 自分のペースで学習できる
- 仕事や好きなことをしながら学校に通える
- 全日制と同じ卒業資格を得られる
といったことがあげられます。
通信制高校の入学者数は年々増加しています。
文部科学省によると平成16年に55,134名だった入学者数は平成30年には73,685名と30%以上増加しています。
通信制高校には、自分のやりたいことと両立する人や、さまざまな事情を抱えた人などが通学しています。
オンライン化が進み、個人の生き方も多様化する中、通信制高校の入学志望者は今後さらに伸びていくと見られます。
N高等学校 プログラミングコース
N高等学校(通称 N高校)は2016年に開校した、インターネットを活用して好きなことを好きなだけ学べる新しい通信制高校です。
N高校ではプログラミングコースがあり、プログラミングの基礎からWebアプリケーションの開発まで学べます。
学習形態は、通学コースとネットコースに分かれています。
通学コースは全国にある各キャンパスへ通学します。
ネットコースは、ライフスタイルに合わせて好きなときにネットで学習できます。
ヒューマンキャンパス高等学校
ヒューマンキャンパス高等学校は、高校の学習と合わせて、40分野100種類以上に対応した専門学習ができる通信制高校です。
中でも、ゲーム・IT・プログラミング分野は、
- プログラミング
- 情報処理
- eスポーツ
- AI・ロボット
といった専門学習カリキュラムがあります。
講師は全員が現役エンジニアなので、現場でリアルに求められる細かい点まで指導を受けられます。
バンタンテックフォードアカデミー高等部
バンタンテックフォードアカデミー高等部は、IT・プログラミング専門の通信制高校です。
3年間のプログラミング専門教育を受けながら、高校卒業資格を同時に取得可能。
IT企業であるドワンゴの新人研修をベースにした学習内容となっており、10代でより高いレベルの専門スキルを身につけられます。
また入学から卒業までのキャリア教育を通じて、将来社会に出たときに求められるスキルや考え方を習得できます。
まとめ|高校生のプログラミング学習は将来のキャリア選択に繋がる
本記事では、高校生のプログラミング必修化の背景から、高校生がプログラミングを学習すべき理由、プログラミング学習方法まで解説してきました。
高校生がプログラミングを学習することで
- 大学受験や就職活動で有利になる
- アプリやWebサービスを自作できる
- エンジニアやゲームプログラマーを目指せる
といったメリットがあります。
現段階で、エンジニアになることを考えていなかったとしても、プログラミング的思考力が磨かれることによって
- 主体的に物事を解決できる人材になる
- 筋道を立てて倫理的に物事を進められるようになる
といった、将来IT業界以外の仕事に就いたとしても役立つ能力が養われます。
今回ご紹介した内容をぜひ参考にしてみてください。