2020年度より小学校でプログラミング教育が必修となりました。
先生方はプログラミングや学習教材の使用方法に関する知識を取り入れたり、学習指導案を考えたりしなければなりませんね。
プログラミング教育が必修となるに伴いこんな悩みはありませんか?
- どのような教材を選べばいいかわらかない
- 授業で具体的になにを教えたらいいかわらかない
- そもそもプログラミングとは何かわからない
本記事では
- プログラミング教育に不安な現場の教員の方
- これから教員を目指している方
これらの方々に向けて小学校のプログラミング教育におすすめの習得に最適な学習方法を紹介習得に最適な学習方法を紹介します。
目次
プログラミング教育の現状|73%の小学校教員が不安を感じている
2020年度から小学校で実施が開始されたプログラミング教育。
しかし、現場の小学校教員の方々からすれば不安要素は大きいですよね。
「具体的になにをどのように教えるべきかわからない」
実際に、LINEみらい財団がまとめた報告書によると73.3%の小学校教員がプログラミング教育に対して不安を感じていると回答しています。
(参照:プログラミング教育必修化に関する調査報告書/一般財団法人LINEみらい財団)
プログラミングにおける知識だけではなく、教育経験も影響するということが考えられます。
さらに、プログラミング教育に対する教員の自己効力感(=自信)に関しては、64.4%の教員が「プログラミングを教えられる自信がない」と回答しています。
この報告書の結果から次の課題として考えられます。
- 教員のプログラミングに対する理解が浅い
- 教員がプログラミングは難しいと感じている
小学校におけるプログラミング教育の現状と今後の展望
小学校におけるプログラミング教育は、各学校によって学習教材や指導方法が異なります。
現状では、前例のない取り組みに対してプログラミング教育への不安を多くの教員が抱えています。
そのような中で教育委員会では、プログラミング教育の円滑な実施に向けて、各学校における取り組みを促し支援する体制を整えています。
また、文部科学省の小学校プログラミング教育の手引では、次のように書かれています。
教師が自らプログラミングを体験することが重要です。「プログラミングは難しそうだ」という印象がもたれがちですが、今日、教育用に開発されたビジュアル型プログラミング言語などの発展・普及により、児童も含めて多くの人々が容易に体験したり活用したりすることができるようになっています。
教師が自ら実際に体験することによって、プログラミングはそれほど難しいものではなく、むしろ面白いものだということが実感でき、さらに、授業でこんな使い方ができそうだというアイディアも湧いてくるものと思われます。
つまり、プログラミング教育の実践者として、
- 教員みずからがプログラミングに触れることで、苦手意識を克服すること
- プログラミングの可能性を実感すること
が重要であると述べています。
- 前例にとらわれずにアイデアを生み出す
- 学び得たことを教育現場で実践する。
こうすることで、子ども達のプログラミング的思考力がより深く磨かれます。
また、小学校プログラミング教育の手引では必要に応じて外部機関・企業から協力を得ることも必要であるとしています。
プログラミング教育をするための小学校教員免許が存在しない
現時点では、小学校でプログラミング教育をするための教員免許がありません。
そもそも、プログラミングの教育課程が今の大学に存在していないのです。
教員のプログラミングスキル習得に関しては研修や自己学習を通して主体的に身につけなければならないといったある意味過酷な状況に置かれているといえます。
今後は、情報系の学校でも教育課程が新設される可能性は高いと思われます。
小学校教員が参考にしたいプログラミング教育の事例
先述したように、プログラミング教育の学習内容は各学校にゆだねられています。
「ほかの学校ではどのように教育しているのだろうか」と気になる方も多いはずです。
ここでは、「文部科学省の小学校プログラミング教育指導事例集」をもとに、プログラミング教育の事例を紹介します。
事例1 町田市立第三小学校 AI×スクラッチでどんなことができるかな
町田市立第三小学校(東京都町田市)が、グーグル合同会社の協力を得ながら行ったプログラミング学習です。
- AIの画像認識
- Scratchのプログラミングを体験
- その上でそれらの技術が現在・将来の生活でどのように活かすことができるかを考える
といった学習を行いました。
この学習の感想には次のようなものがありました。
- AIにより実際の生活が便利になっていることを実感できるようになった
- 誰に・どのように役立つか目的意識を持って開発することが重要だと感じた
Scratchなどの身近なプログラミング教材を活用することで、プログラミングは自分たちの生活をより良くするための手段であることに気付かされる好例です。
参照:AI×スクラッチでどんなことができるかな(町田市立町田第三小学校)
事例2 杉並区西田小学校 正多角形をプログラムを使ってかこう
杉並区西田小学校(東京都杉並区)が独自に行ったプログラミング学習です。
学習のねらいは、教員が「このようにプログラムを書けば正多角形がかけます」と教えて、子供がそのプログラムを真似て正多角形をかけるようにすることではありません。
「どのようなプログラムを書いたら正多角形がかけるかを考える」こととしています。
参照:正多角形をプログラムを使ってかこう(杉並区立西田小学校)
事例3 広島市立藤の木小学校 自動車に搭載された技術と私たちの生活
広島市立藤の木小学校(広島県)が、ひろしま自動車産学官連携推進会議の協力のもと行ったプログラミング学習です。
まず、自動運転や自動ブレーキなどの自動車の最先端技術を学習しました。
そのうえで、「自分がつくってみたい自動車を課題設定」し、条件分岐などのプログラミング体験を行いました。
プログラムの役割・仕組みを理解した上で自動車以外にも身の回りの生活においてプログラミングが活用できないかと視点を広げ、自分の生き方や生活に対する考えを深めることができました。
その上で、「もっとこうしたプログラムがあるといいのではないか」といった探究心の成長が期待できる好例です。
参照:自動車に搭載された技術と私たちの生活(広島市立藤の木小学校)
小学校教員におすすめのプログラミング授業に最適な教材
ここからは教育現場で子供達のプログラミング教育を実践している小学校教員におすすめのプログラミング学習教材を紹介します。
今回紹介する学習教材は、実際に小学校のプログラミング学習や、プログラミング教室でも利用されているものです。
まずは自分たちが触れてみることで、プログラミングの楽しさや可能性を体感できるはずです。
Scratch(スクラッチ)
Scratchとはブロックを組み合わせることで、オリジナルのアニメーションやゲームなどをかんたんに作成できるプログラミングサービスです。
また、プログラミング教室で使用されることもあり、「Scratchでプログラミングを始めた」という子どもも多いことが特長です。
さらにScratchでは教育関係者向けのコンテンツも充実しています。
Vicuit(ビスケット)
ビスケットは合同会社デジタルポケットが開発した国産プログラミング言語です。
「メガネ」と呼ばれる仕組みで単純なプログラムから複雑なプログラムまで作ることができます。
開発できるのは例えば、アニメーション・ゲーム・絵本など。
「プログラミングは難しいもの」と苦手意識を持っている方も、Vicuitを使うことでプログラミングの仕組みを理解できるようになります。
プログラミングを勉強するために、初めから専門書を読んでも挫折する可能性が高いです。
まずはVicuitのような簡単なものから試してみることをおすすめします。
micro:bit(マイクロビット)
micro:bitはイギリスのBBCが主体となって開発された、子供がプログラミングを学ぶためのボードです。
世界各国40カ国以上で学習教材として使用され、日本でも200以上の学校で教材として導入されています。
例えば、小学校の理科の授業において「電気の仕組み」を学びます。
この授業でmicro:bitを活用することで
- 豆電球を任意の間隔で点滅
- 暗くなったら点灯・明るくなったら消灯
といった動きを、プログラミングによって体験することができます。
子供達もプログラムがあることで、生活が便利になっていることを実感できるはずです。
micro:bitは安価に購入ができることや、専門書やインターネット情報も多いことも、学習教材としておすすめの理由です。
小学校教員におすすめのプログラミング学習方法
ここでは、教員のみなさまがプログラミング学習をする際におすすめの方法を紹介します。
プログラミング初心者が独学で始めようとすると
なにから始めたらいいか
いきなり難解な学習方法を選択すると、あまりの専門用語や複雑さに気が滅入ってしまう可能性があります。
しかし、プログラミングスクールは受講費用も掛かります。
もし学習費用はなるべく抑えて、じっくり学習したい場合はインターネットを使ったオンラインサービスも有効です。
オンライン学習
オンライン学習のメリット
- 学習場所を選ばない
- 動画再生で繰り返し学習ができる
- スクールに比べて費用が安い(無料もあり)
ここではその中でもおすすめのオンライン学習サイトをご紹介します。
Progate(プロゲート)
Progateは、プログラミング学習を無料で始められるオンラインサービスです。
イラスト中心のスライドを用いた簡単なレッスンのあとに、実際にコードを書いていきます。
パソコン以外にもスマホから操作ができます。
通勤時間や休憩時間、自宅などでいつでもどこでも学習を進めることができますね。
学習を進めるたびにレベルが付与されたり、ランキングが表示されるので、ゲームのように楽しみながら学習できることが特長です。
Progateでプログラミングを始めたという人が多く、プログラミング初心者の基礎学習に最適です。
Udemy
画像参照元:Udemy公式トップページ
Udemy(ユーデミー)は、ベネッセが運営するオンライン学習プラットフォームです。
Udemyにはプログラミングをはじめさまざまな学習動画が用意されています。
動画学習のメリットは
- 繰り返し再生、途中停止ができる
- 身につけたい学習内容から選択できる
- いつでもどこでも学習できる
購入費用は動画によって差がありますが、セールを行っているときがありますので、そうしたタイミングを狙うのもおすすめです。
ドットインストール
ドットインストールは、プログラミング学習に特化した動画学習サービスです。
ドットインストールの特長
ホームページの作り方からスマホアプリの開発まで幅広い分野をカバーしています。
プログラミング学習が初めての方でも無理なくスキルを身につけていくことが可能です。
無料で視聴できる動画もあるので、まずはアカウント登録から始めてみてはいかがでしょうか。
プログラミングスクール
プログラミングスクールのメリットは、
- 専門スタッフの徹底的なサポート
- スクール運営で培った学習ノウハウ
- ひとりひとりに合った学習カリキュラム
などが挙げられます。
ここではその中でもおすすめのプログラミングスクールをご紹介します。
プログラミングジャパン
プログラミングジャパンは、パソコン超初心者でも最短1ヶ月でITエンジニアを目指せるプログラミングスクールです。
数あるプログラミングスクールの中でも、プログラミングジャパンをおすすめするポイントはこちら!
- 1対1の徹底したマンツーマン指導
- 受講生ひとりひとりに合った独自カリキュラム
- 業界でも例が少ないスマホアプリ開発学習に特化
完全未経験から短期間でITエンジニアを目指すことは、学習をやりきる覚悟も必要です。
プログラミングジャパンでは、実際にエンジニア転職を実現した方がたくさんいます。
一般的にはITエンジニア転職を目指す方向けのサービスです。
しかし、教員の方のプログラミングスキル向上のサポートも柔軟に対応可能です。
今なら無料体験レッスンも行ってます。
イーテクノロジー
現役教員、これから教員を目指す方、そして保護者の方も受講可能です。
学習内容としては、Scratch・micro:bitを題材としたカリキュラムとなっており、テキストの例題を解き進めていきます。
- 受講時間は20時間程度
- 受講料金は50,000円
短時間かつリーズナブルな設定。
ただし、Scratch・micro:bitをすでに自分で触れたことがある方にとっては、すでに習得済みの内容の可能性があります。
カリキュラムの内容に関して詳細が気になる方は、問い合せてみてはいかがでしょうか。
まとめ|質の高いプログラミング教育をするためには教員みずからの学習は必須
いかがでしたでしょうか。
この記事では、小学校教員がプログラミング学習を受けるべき理由とおすすめのプログラミング学習方法を解説してきました。
「子どもにプログラミング教育をする以前に、そもそも自分がプログラミング理解していない」不安を抱えている現役教員の方も多いはずです。
たしかにプログラミングは専門性が高いため、未経験者がいきなり独学をしようとすると、途中で挫折してしまう可能性もあります。
しかし、教育現場に求められているのは、プログラミングそのものを教えることではありません。
そのため、ITエンジニアのようなプログラミングスキルまでの習得ではなくまずは基本を理解することが肝要です。
ぜひ今回ご紹介した内容を参考に、まずはできることからプログラミング学習を始めてみてはいかがでしょうか。
進路や学習法など、なんでもご相談ください!
プログラミングの学習や将来について迷っていませんか?
「キャリアはこのままでいいのか?」
「学習法が合っているのか?」
など
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