プログラミングが小学校で必修化されましたね。
「驚きました」という方や「うちの子、大丈夫かな」と心配されている保護者の方も多いでしょう。
- なんでいきなりプログラミングが必修化されるの?
- 子供をプログラマに育てようとしているの?
- 就職の幅を狭めようとしているの?
- 今までの教育要綱からいきなり変わって教育現場は大丈夫なの?
そのような疑問が聞こえてきそうですね。
そこ当記事にて下記について解説します。
- プログラミングが必修化になった背景やその歴史
- 海外諸国とのプログラミング教育に関する違いの解説
- 教育カリキュラム
さらにオススメな教育サイトをいくつかご紹介いたします。
目次
プログラミングが小学校で必修化!具体的内容は?
プログラミング必修化については文部科学省主導のもと進められました。
プログラミング必修化にあたり
- どのような動きがあったのか
- どのような背景で必修化の流れになったのか
これらについて詳しく説明致します。
必修化の背景
プログラミング必修化についてはここ1、2年で出てきた話ではありません。
文部科学省としては数年前から計画を練っていました。
何年にどのような計画が行われたかを詳しく説明致します。
時期 | 内容 |
2012年 | 中学校の技術家庭科の授業で「プログラムによる計測・制御」が必修化 |
2013年6月 | 政府が成長戦略の中で「義務教育段階からのプログラミング教育等のIT教育を推進する」と発表 |
2015年 | 総務省が「2013年以降、子供向けプログラミング教室が増えている」と発表 |
2016年4月 | 文部科学省が小学校でのプログラミング教育必修化を検討すると発表 |
また、これに伴い総務省は「2025年までにIT(情報技術)人材を新たに100万人育成する」という方針を発表しました。
10年おきの学習指導要領改訂で内容は決定されます。
今後より専門的な分野の教育が始まる可能性も考えられるでしょう。
では海外のプログラミング教育はどうなのでしょうか?
アメリカでは2013年に次のようなことがありました。
- オバマ元大統領がプログラミング教育の必要性を説いた動画が公開
- Facebook社の代表取締役であるマーク・ザッカーバーグ氏も同意される
具体的にはアメリカやイギリスではプログラミング教育にあたり次のような動きがありました。
- イギリスでは政府がおおよそ8500万円をプログラミング教育に投じ、教員に対してもプログラミング教育を行うことを発表
- アメリカやイギリスにでは1990年代前半には私立学校の各教室には最低1台のパソコンが配備
- アメリカやイギリスが出資したインターナショナルスクールではフローチャートやBASICによるプログラミング授業を20年前から実施
アメリカやイギリス以外にも目を向けてみましょう。
アメリカやイギリス以外でもフィンランドやカナダなどでプログラミング教育の必要性を発表しています。
世界中でプログラミング教育に高い関心を示していることが分かりますね。
いつから必修化されたの?
小学校では2020年4月からすでにプログラミングは必修化されています。
中学校では2021年4月から必修化されます。
高校でも2022年からプログラミング教育を必修化したり拡充する方針が出されているんですよ。
授業で必修になるだけではありません。
参考:2020年4月から必修化したプログラミングーー教育現場はコロナ禍を好機とできるのか
プログラミング必修化の目的
プログラミング必修の目的は次の二つ。
- 今後不足するエンジニアの人口を増やす
- 小学生のうちから論理的思考力を身に付ける
文部科学省による学習指導要領とは
文部科学省はプログラミングの指導要領について以下の通り公式に発表しています。
要領 | 詳細 |
教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成 | 各学校においては,児童の発達の段階を考慮し,言語能力,情報活用能力(情報モラルを含む。),問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力を育成していくことができるよう,各教科等の特質を生かし,教科等横断的な視点から教育課程の編成を図るものとする。 |
主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善 | 児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動 |
参考:新学習指導要領のポイント(情報活用能力の育成・ICT活用)
必修化の目的
プログラミング必修化の目的は大きく分けて以下の3点になります。
- 90%の職業でITスキルが必要になっているため
- 論理的思考能力を養うため
- 組み立てる力を養うため
コンピュータは魔法の箱のように扱われていました。
それは外からは内部が見えない(ブラックボックス)構造になっているからです。
しかし、魔法の箱を動かすために、実際には多くの作業工程が必要となり、多くの作り手が「魔法の箱」を作っているのです。
- どのように動作するか設計をする人がいます
- 設計通りに動作するようにプログラムを書く人がいます
- ハードディスクやメモリを組み合わせることで実際に完成品を作る人がいます
- 実際に動作するか、品質を管理する人がいます
実際にはこの何倍もある工程を経た上で、皆さんの手元に届きます。
ただ漠然とコンピュータを利用するだけではいけません。
現代社会は生活のほぼ全てがIT化されています。
パソコンや携帯電話のみならず
- 電気
- ガス
- 水道
- 公共施設
- 農業
などなどあらゆる分野にIT管理されるようになりました。
さらに今後はより一層IT化が進むと予想されます。
ここ数年のIT化の動きを見てみると必ずどのような業種や生活であってもIT関係の知識は必要になります。
例えば
- 農業をやっている高齢者がタブレットを用いて栽培管理などデータや出荷の管理をしている
- 零細企業の事務であってもExcelの関数やマクロ、Accessを用いたデータ管理の知識を必須条件を明言している会社もある
- 今後マイナンバーと免許が一体化され、さまざまな国家からの支援やサービスがIT化されていく
このように目まぐるしいスピードで進むITの多様化に伴い、IT関係の知識は絶対に切り離せないものになります。
論理的思考力についても同様です。
身近な例を挙げると身の回りでトラブルや調べ物をするときにインターネットやパソコンを利用するのが当たり前になっている時代です。
調べるだけではなく、解決するためには調べた内容を筋道立てて考えて、実際に行動しなければいけません。
最近では、小学生やIT関係に全く知識のない人でもスマートフォンやパソコンを利用することが当たり前の時代になりました。
小学生やSNSの投稿に於ける個人情報保護やSNSへの悪質な行為はニュースにも取り上げられているほど問題になっています。
ネットリテラシーとは「ネット上の道徳」という意味で使われる場面が多い言葉です。
しかし、正しくは「インターネットを正しく使いこなすための知識や能力」という意味です。
「インターネット上から正しい情報を分析する力」、「インターネットを適切に使うための理論」を養うためには早いうちからIT技術に触れる必要があります。
2つの学習指導について
文部科学省はプログラミングの学習指導について以下の通り位置付けています。
これは具体的に何を意味するのでしょうか。
プログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動
◎算数、理科、総合的な学習の時間において、プログラミングを行う学習場面を例示
論理的思考力については「必修化の目的」で述べた通りです。
一方で「算数、理科、総合的な学習の時間において、プログラミングを行う学習場面を例示」については少しイメージがつかみにくいですね。
そのため本当に専門的な勉強をするためには情報処理系の大学や専門学校に通学する必要があります。
しかし、小学校では以下のことが例示されるのではないかと推測されます。
教科 | 例示内容 |
算数 |
|
理科 |
|
授業の具体的な内容は?
ここまで色々述べてきましたが、実際に授業の具体的な内容やカリキュラムは決まっていません。
厳密に「プログラミング」という科目が追加されたわけではないのです。
また、授業で使用する「タブレット」や「PC」さらには「教職員へのプログラミング教育」などは、自治体の裁量に委ねられています。
大まかなカリキュラムはありますが、あくまでも「学習事例」というだけであり、文部科学省として「これに従うように」というものはありません
・カリキュラム例
学年 | 教科 | カリキュラム |
2年生 | 国語 | 主語と述語を組み合わせる |
3年生 | 音楽 | リズムループを作成し、簡単な音楽を作る |
4年生 | 音楽 | 様々なリズムやパターンを組み合わせた音楽づくり |
5年生 | 算数 | 正多角形の作成や描画 |
6年生 | 理科 | 電気など身の回りのITの例をプログラミングを用いて理解する |
将来的に大学受験にも影響が出る
プログラミング必修化に伴い、大学受験でもプログラミングが入試範囲として出題される可能性があります。
時期について教えてください
現時点では方針策定段階ではあるものの、安倍元総理が「AIやビッグデータなどのIT、情報処理の素養はこれからの時代の『読み書きそろばん』」という発言をしています。
この「読み書きそろばん」の意味としては、一昔前であれば「誰でもそろばんができることが当たり前」だったということの比喩です。
これを現代社会に当てはめてみると、プログラミングや情報処理は理系に特化した内容という時代は終わったということ。
文系理系問わず共通入学試験として「情報」という科目で必須知識として扱うために、入試問題の範囲に入ることを示唆しています
プログラミング必修化における誤解・注意点
「プログラミング教育」と言うと次のような疑問や誤解が生まれますね。
- プログラマを育てるの?
- 理系と文系の垣根がなくなるの?
- デバイスを各家庭で用意するの?
それぞれ順を追って説明致します。
プログラマーを育てる学習ではない
まず、一番多くの人が誤解している内容ではありますが・・。
当然、小学生の段階から自分の生涯の進路を決めることは不可能ですし、全員が全員IT系に関わる仕事をするわけでもありません。
プログラマー以外の仕事についたとしても、書類作成や顧客とのアポイント、そしてメールなどでコンピュータやアプリケーションは必ず利用しなくてはなりません。
またトラブルが発生した際には必要に応じてコンピュータやアプリケーションを使いこなす必要性が生じます。
解決するためにはパソコンを駆使して適切な解決方法を探したり、自力で試行錯誤するなどの「解決に向けた行動」をしなければいけません。
小学校必修のプログラミング学習は準備の段階です。
- タイピングなどコンピュータの基本的な活用スキルの習得
- コンピュータを動かすための考え方を身につけること
上記のような力を養うためにプログラミングは小学生から必修化されます。
プログラミング学科として学ぶわけではない
プログラマを育成するための科目ではないため、「プログラミング学科」としてプログラミングを学ぶわけではありません。
プログラミングを駆使して専門的な知識を身に付けるのは情報処理系の大学や専門学校の範囲です。
小学校ではそこまで専門的な勉強をするわけではありません。
では、どのような勉強をするのでしょうか?
カリキュラム自体が決まってはいないものの、音楽や算数、理科と言った科目の一環で学ぶこととなります。
例えば
- 算数なら計算問題を実際にプログラミングしてみる。
- 音楽ならリズムを刻んでみる
- 理科なら実験としてプログラミングで制御を施したおもちゃを作ってみる
など各教科の付帯的な位置づけになります。
実際にプログラミングを役立てて実験であったり、複雑な計算を行います。
パソコンやタブレットは学校側が用意
プログラミング教育に伴うパソコンやタブレットといった必要なデバイスについては学校側が用意することになります。
各家庭で用意する必要はありません。
70%ほどの教育現場ではすでに一人一人にタブレットが配布されていますが、一部の教育現場ではまだ途上であることが分かります。
ただ、プログラミング教育市場は年々大きくなっています。
2030年には数千億円規模の市場になっていると予測されています。
また、デバイスの安価化かつ高性能化が求められる時代になってきています。
このような理由から数年以内にこの問題も解決される見込みです。
先生が生徒に教えられる環境も用意されている
現状では「カリキュラムが定まってない」、「デバイス配布が遅れている」といった状態です。
この状態で本当に生徒に教育できるのでしょうか?
心配しなくても大丈夫です。
先生が生徒に教える環境は用意されています。
まず、「パソコンやタブレットは学校側が用意」の章で、対応できている学校は約70%と説明したため、遅れていることを不安視する人もいます。
しかし、こちらは平成25年の情報です。
すでに93%の学校では令和元年までに一人一人にタブレットを配布できるように準備するという報告が文部科学省から発表されています。
残り7%につきましても、全体平均を取ると6.2人に1台のコンピュータが準備されていることが発表されました。
その後、文部科学省からの教育現場への目標設定として「3クラスに1クラス分のコンピュータの準備が妥当」であると発表されています。
未来の学びコンソーシアムについて
経済産業省、文部科学省、総務省が合同で「未来の学びコンソーシアム」を立ち上げました。
「コンソーシアム」とは「共同事業体」という意味です。
未来の学びコンソーシアムは、経済産業省、文部科学省、総務省がプログラミング学習を円滑化するために共同で立ち上げたサイトです。
※役割を果たしたとして、2020年12月25日にて業務終了。
その後は文部科学省にて「小学生を中心としたプログラミング教育ポータル」を引き続き運営。
有料サービスと無料サービスもありますが、かなり豊富な数のサービスが備わっています。
現役のエンジニアが開発の現場で利用しているようなビジュアル言語を教えるサービスを提供しています。
例えば、Swift(iOS言語)やラズベリーパイ(超小型コンピューター)など小学生や中学生でも楽しくプログラミングを学べるコンテンツやマインクラフト(ゲーム)やビスケット(ゲーム)など、小学生から中学生、未就学児でも楽しくテキスト言語、ビジュアル言語、ロボットを学べるコンテンツが用意されています。
このサービスにより、自宅でもプログラミングを学習できます。
また、教職員も「何を用いれば生徒の興味を引けるか」といった観点でのカリキュラム作成に活用できるようになりました。
進路や学習法など、なんでもご相談ください!
プログラミングの学習や将来について迷っていませんか?
「キャリアはこのままでいいのか?」
「学習法が合っているのか?」
など
あなたの悩みをご相談ください^^
ご相談はお気軽にLINE@まで
プログラミング必修化にむけた小学生向け学習サイト3選
ここからは小学生の予習にピッタリな学習サイトを3つご紹介します。
予習するなら小学生でも取り組みやすい学習サイトで勉強しましょう。
Why!?プログラミング
「Why!?プログラミング」はNHKが提供するプログラミング学習配信サービスになります。
実際にエンジニアスクールのCMでも起用されている厚切りジェイソン氏が楽しくプログラミングについて解説をしています。
各配信が1話見切りとなっており、子供が飽きないような配慮もされています。
サービスを最後まで見ることには学校教育で習う「Scratch」の理解が深まり、十分な予習になりますよ。
Hack for Play
Hack for Playは実際にゲームをやりながらプログラミングをするサービスになります。
「遊びながら勉強?」と思われるかもしれません。
しかし、ゲームをクリアするためには「敵のHPを低くする」「自分の攻撃力を高くする」といったプログラムを実際に書かなくてはいけません。
正しくプログラムを書かないとプレイヤーが逆に弱体化してしまう可能性もあるんです!
単純に数値を操作するだけのクエストであっても筋道立てて考えなくてはいけない場面も出てきます。
このサービスを遊ぶことでプログラムの簡単な書き方や、プログラムの構造といった概念が身に付くことが期待できます。
プログラミングゼミ
大手ゲーム会社が提供する「プログラミングゼミ」は実際に自分で作成した絵や音声がゲームになるという画期的なサービスになります。
小学生が将来プログラマになりたいと思う大半の理由は「ゲームが好きだから」「ゲームを作りたいから」と感じることが切欠ではないでしょうか。
このサービスはそんな小学生の思いを実現するために作成されたサービスになります。
プログラマになりたい人が挫折する「思った通りに動いてくれない」「右に曲がるプログラムが書けない」といった悩みをサンプルのコマンドが解決してくれます。
また、Android OS、iOS、Windows、Amazonと幅広いプラットフォームに対応していることも魅力の一つです。
まとめ
今後IT化の動きが激しくなる中で小学校、中学校、高校でもプログラミングの授業が増えていき、大学入試の範囲としてもプログラミングの知識が問われるようになります。
- ITやプログラミングは理系の分野である時代は終わった
- 諸外国では日本以上にIT学習に力を入れている
- 日本のIT教育は途上段階である
ということを念頭に置いておいてください。
実際にエンジニアの間では「日本がIT大国であった時代は終わった」とも言われています。
しかしそんな中、国の強い方針が発表されています。
- 2025年までにIT技術者を100万人育成する
- 小学校からプログラミング教育を必修化する
方針への国の本気度が伺えますね。
皆さんが心配する教育面ではきちんと対策は取られてます。
- パソコンやタブレットは学校支給になる。(遅れているものの着々と進んでいます。)
- 学校には3人に1台ペースでPCが配備されている。
- 生徒も楽しみながらプログラミングが学習できるサービスが充実している。
安心してプログラミング教育を受けさせることができます。
プログラミングを始めようか迷っていませんか?
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